凱旋門の呪縛から解き放たれるのはいつ?
Workforce / Nakayama Festa |
・凱旋門賞売上: 2016年 41億8,599万円、2017年 34億4,333万円
・その他最大の売上レース:2017年ドバイワールドカップ 13億7,962万円
武豊騎手を筆頭に、名だたるホースマンたちが勝利を願ってきただけに、ファン層における浸透度合いもまたそれに準ずるものがあると思います。
が、もはやこれは一部の競馬関係者によっては願いを通り越して呪縛と言っても過言ではない状況に陥りつつあります。
※ 本稿は凱旋門賞をこき下ろすために書いているわけではありませんので、その点については予めご承知おきください。
・本当の世界ナンバーワンのレースとは
まず、この定義がどこにあるのかを確実にしないことには話が進まないでしょう。格式、伝統、歴史。それらがミックスしていることは大前提なのだと思いますが、しかしこれも、見る人によって大きく異なります。
例えばですけど・・・
マイルが一番だと思っている人には、2,400mは長すぎるのです。
ダートが一番だと思っている人には、芝に興味は湧かないかもしれません。
個人の主観によって、捉え方が異なるのがレースだと思います(他の大多数のスポーツは基準がハッキリしていて、比較的世界ナンバーワンを断定しやすいですよね)。
個人的な視点から行くと、「カタチ」として全世界的な基準が制定されているのは、レーティングです。その意味では、世界最高ナンバーワンの格を受けた馬が勝ったレースが、世界ナンバーワンの称号を手にするのだと思うのですが、過去5年の総合レーティングでは、
2017年:アロゲート&ドバイワールドカップ(134)
2016年:アロゲート&ブリーダーズカップクラシック(134)
2015年:アメリカンフェイロー&ブリーダーズカップクラシック(134)
2014年:ジャスタウェイ&ドバイデューティーフリー(130)
2013年:ブラックキャビア&ライトニングステークス(130)、トレヴ&凱旋門賞(130)
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ということで、総合ランキングでは凱旋門賞は2013年以降最上位を取ったことがないわけです。
でも、これが芝・距離クラスLに限定すると、
2017年:イネイブル&凱旋門賞(128)
2016年:ファウンド&凱旋門賞(124)
2015年:ゴールデンホーン&英国ダービー(130)
2014年:エピファネイア&ジャパンカップ(129)
2013年:トレヴ&凱旋門賞(130)
となるわけです(ちなみに2014年の凱旋門賞は、トレヴが凱旋門賞で126を受けていますが、牝馬はだいたい4ポンド減量しての評価となりますから、牡馬で言えば130に等しいので、実質トップと言えるでしょう)。
何が言いたいかというと、凱旋門賞はスピード・スタミナ・パワーが必要な芝長距離競走における最高峰であり、世界のナンバーワンとは言えないのです。これは他のスポーツ、例えばボクシングにおける体重毎の階級+決定戦のように、ナンバーワンを決める確実なレースというもの自体が、競馬に存在しないからです。
レーティングだけでいえば、BCクラシックの方が圧倒的です。2,000m・ダートで、毎年のように世界ナンバーワンにランクされますし、短・中距離におけるウィンクスの優勝するレースのほうが価値は大きいわけです。
このように、競馬は「これが一番!」というものがありません。
・他のG1でもよくないですか?
個人的には招待競走以外のG1に、わざわざオーナーがお金を出して挑戦するならば、勝てるG1を狙いに行ったほうがいいのではと思っています。これは賞金やレースの格付け・・・というよりは、それぞれの馬の適性に合ったレースの中で最高峰を目指して戦うという意味です。
ケンタッキーダービーでは連対できなさそう・・・ということなら、一枚格下のプリークネスSに(もちろんKYダービーは参加するだけでも満足しちゃうレベルのレースなのですが)・・・というように。
世界には多くのG1競走がありますから、選ぶのは難しいかもしれませんが、優勝する名誉も同時に選ぶなら世界のトップ100競走から適性の見込めるレースを選んだら良いと思います。
World top 100レースはこちら
凱旋門賞以外のG1を獲ってもしょうがないか?そんなことは全然ありません。むしろ、まだ日本人が手を出していないG1かつ適性のあるレースにじゃんじゃん挑戦するべきです。
トップ100競走は、どのレースを取ってみても局地戦です。
日本馬にとってホームゲームとなるジャパンカップは、他国の競走馬・陣営にとってはレベルの高い極東まで行かなければならないタフなレースなのです。
フランスは国としても確かに魅力的です。
ただ、日本馬にとって日本ダービーやジャパンカップ、有馬記念を簡単には外国馬に勝たせられないという意地が存在するように、彼らも同じことを思っています。
賞金<レース格<適性 というのが、私の持論です。
現在高校三年生で将来競走馬の売買エージェントになりたいと思っています。そこで海外で、馬産業が盛んな場所に近い大学でビジネスを専攻しながら例えば牧場でお手伝いさせていただいたり、馬に関わることもプラスアルファで学べれば自分にとってベストな環境になると思いました。しかしアメリカで有名な馬産地がケンタッキー、育成はフロリダ、競馬自体はカリフォルニアも盛んというくらいしか知識がないので、他に馬産業が盛んな都市はあるのかという事と、上記は全て自分のイメージなので本当に牧場でお手伝いさせてもらうことやコネクションを作ることは可能なのか、実際にアメリカの馬業界で働かれている方にお尋ねしたいと思いコメントさせていただきました。
返信削除よろしくお願いします。
以前回答させて頂いた方ですね。
削除世界の業界についてはジャパンスタッドブック: www.jairs.jp にいろいろ情報は載っていますから、調べてみてください。
他のことは他人がどうこう言うよりは、本気ならばご自分で調べる道があるのが現代ですから、力を尽くしてみてはどうでしょうか。
大学は日本以外ならば馬学のある大学はゴマンとあります。牧場に入れるか、コネクションが作れるかはご自分の努力次第でしょう。
回答いただきありがとうございます。
削除何度も質問してしまいすいません。
Mitsuokiさんのおっしゃるように、自分の将来のことなのに安易な方向に流れてしまっていましたが、
もっと調べられることがあると思わせて頂き感謝しています。
失礼しました。
お返事が遅くなりました。
削除私があれこれと情報をお伝えして、その道をご自分で選んで進んだ後、万が一失敗した場合に後悔してほしくないのです。言う人は自分の人生ではないので、ある意味無責任に人に指導して進路を勧めます。でも失敗して、後から恨めしいことを言っても人生の時間は取り返すことは出来ません。誰に言われても、選んだ時点で全て自己責任ですから。
その意味で、自分で探して自分で選び、自分で100%納得してその道を進むことが一番だと思います。ご自分の人生ですから。
今時はネットで調べられる情報量は超常現象的ですから、ご自分のことなのでがんばってください。
まだ人生経験の少ない今の状態で将来を決めつけるより、自分で調べて決めた進路を進んでみて、いろいろな人間と出会い、経験を重ねて、その先にたどり着くのがエージェントなら良いと思います。とてもシビアな世界ですけどね。