ケンタッキーダービーに対する一考

はじめに宣伝です(笑)

私は、4年前から大井競馬場のウェブサイトでコラムを書いています。最初の頃は日英両方でとの依頼でしたが、英訳が大変なので日本語だけにしてもらいました。もう25回目、そろそろ26回目もアップされると思いますが、お茶・タバコタイム等、息抜きの時にでもサラッとご覧いただけたらうれしいです。

http://www.tokyocitykeiba.com/data/cafe/

日本の競馬番組体系に慣れていると、米国競馬、特に3歳クラシックについてはかなり違和感を覚えるかもしれません。
3冠の最初を飾るのが、頂点を決めるケンタッキーダービー(以下KYD)で、みんながそれを目指していきます(もう当日まで2ヶ月を切っています)。その後のプリークネスS・ベルモントSは個別対応という感じですかね(笑)

Always Dreaming, Kentucky Derby 2017 Winner


今の米国で、なぜそこまでKYDが大事なのか。以下に個人的な考えを挙げてみます。
・他国と同じく、「ダービー」だから(笑)
・人馬のリーディングを、勝利数ではなく獲得賞金額で決める方式であること。
・国民性として、全ての競技において結果が出るまでのスピードを重んじること
・ケンタッキーがラッキーだった(フロリダ・サンタアニタ・アーカンソー等のダービーも存在しているのに、「ケンタッキー」が重要)

賞金については、たとえば南関東のような賞金体系で競馬をしている中で、KYDとBCクラシック、ペガサスWCだけは別格の賞金(KYD:160万ドル、BCC:330万ドル、PWC:700万ドル。ちなみに新馬戦:23,000ドル)なので、特に調教師・騎手の2者にとっては、単なるG1勝ちではなく、リーディングになる大きな一歩なのです。

国民性は一目瞭然で、入る時にはすぐに点が入る野球・バスケットボール・アメフトなどに人気が集中し、欧州で人気のサッカーや、伝統的なクリケット等、1点が入るまで長時間かかるスポーツは敬遠されています。その意味で、競馬においても早熟性・スピードがこの国で重んじられるのは、けっして偶然ではないと思っています。
日本はその点3冠競走の期間は長いですし、8歳になって本格化するカンパニーのような馬も出てくるし、ファンもオーナーもそれを喜べる。
また生産者の方々も工夫をこらしますから、それら晩成の血統でもポテンシャルを感じられれば種馬としても将来がひらける。となれば、馬によっては全く3歳クラシックにこだわらなくても未来があるわけです。

カンパニー
そしてケンタッキーはラッキー。My Old Kentucky Home、馬産地ではないサンタアニタではMy Old California Homeとは歌えないですし(笑)、KYDを含めた3つのレースを初めて勝ったギャラントフォックスのベルモントステークスで、アナウンサーが「Triple Crown!」と言ったことで3冠に加えてもらえた。

ただ、今となっては伝統。The greatest two minutes in sports。スポーツの中で最も偉大な2分間と言われるようになったわけですから。

ブリーダーズカップ。ペガサスワールドカップ。そして、これから生まれてくるかもしれないレースたち。それらが伝統になるかどうかは、継続していく努力と「運」が必要かもしれません。

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